スイカが好きなフリをする

博士後期課程D3/看護学/障害学/社会学/研究や旅行、日常で思ったことなどを楽しそうに書いています

質的研究と文字起こし

インタビューには文字起こしがつきものだ。会議とかシンポジウムとかでも、その場であった発言を文字起こしてくれているものがある。

その文字起こしには時間がかかる。そしてなかなか力が要る。だから、業者に頼んで文字起こしをしてもらう方法がある。

私の修士課程在学時、慕っていた指導教員から「修士は自分で文字起こししろ。業者に頼むのは博士からだ。いいからはよやれ。」と指導をもらっていた。その教員にはすごく感謝している。面倒を見てくれた先生は多い。ありがとうございます。

その慕っていた教員は1年経つと退官された。そして私は着任してきた新たな指導教員へと自動的に引き継がれ、バチバチなった。それから私は自分が所属する領域を変えてでも指導教員を代えてもらった。指導教員としては3人目になった方に指導をもらって修士課程を修了した。3人目の方は「別に業者に頼んでもいいよ」のスタンスだった。

私は今の博士課程でも、業者に頼まず、自分で文字起こしをしている。時間がかかるけれど、自分にとって意味があると実感できているからだ。

パッと思いつくだけで4つもメリットがある。

(1)お金がかからない。

(2)分析がスムーズになる。

(3)気づきや追加で質問したいことなどメモを書きながら文字起こしができる。

(4)発言の時にあった相手の表情や動作なども記載できる。

以下詳細。

(1)お金がかからない。

1文字=1円の業者があったとすれば、30000字の文字起こしは3万円だ。

自分ですると1時間で1500〜2000字入力できると考えたら、時給は1500〜2000円だ。それはつまり、1時間すれば、もみじ饅頭が15個くらい買えるということだ。

"ほとんどの業者では録音時間で料金を見積もっていますが、一部の業者は文字に起こした後の文字数をカウントして料金を決めています。文字数で料金を決める場合、相場は1文字=1円としている業者がほとんどです。"

→引用文リンク

https://www.lancers.jp/sharebiz/3238

まあこんな風になっているけれど、教授のツテとかで頼んだら安くしてくれるようなところもあるんじゃないかな。知らんけど。

(2)分析がスムーズになる。

これがほんとにすごい。分析テーマを考えながら文字起こしをするのでとても効率がよいと思っている。さらにお金も浮くと思っていたら、自分でせずにはいられない。終わったころ、分析の段階に入ってからビビる。ああ、自分でやってよかったな、と思える。

(3)気づきや追加で質問したいことなどメモを書きながら文字起こしができる。

文字起こしをしていて閃いたり、『ここどういう意味なの?』など追加で聞きたいことをメモしておくことができる。

(4)発言の時にあった相手の表情や動作なども記載できる。

業者はインタビューしてないので、表情や動作まで記載することができないんだよな。特別は分析に作用しないことかもしれないけれど、私は自分の眼で見た相手が喋った時の特徴的な動作や表情などは記載することにしている。

私にとって(2)のメリットがデカい。業者に頼むなり自分でするなり、時間と手間の関係があるので自分に合った方法でするのがいいよね。