私はぜんぜん意図してないし、媚びることもないのだけど、来店2回目で店員さんとグータッチを交わす仲になった。お客さんとの密接な接客をポリシーとするお店のサービスだと考えることはできるけれど。それでもやっぱり嬉しいし、ラーメンのおいしさ以上に心地よい経験だったと思う。
私は2回目の来店であったが、そのおにいさんのことを覚えていた。
初めてお店に来たとき「特大ラーメンって普通のラーメンと何が違うんですか?」と聞くと「麺1,5倍、チャーシュー600gくらいです。超お得です。」と教えてくれたので私もノリノリでそれを頼んだ。卓にラーメンが届くと、チャーシューはさすがに600gは無いにしてもたくさん載せてくれていた。その時に私は、またチャーシューを食べに来ようと思った。
3週間ぶりくらいに再来店。
おにいさんも私のことを覚えていたみたいで「どこどこでお店やることになったんです。」と話しに来た。「おめでとうございます!」と拍手をしながら返す。その後に私が注文した特大ラーメンを卓に届けてくれると、おにいさんは拳を私の目の前に2つ出してきた。
私も同じように出して拳と拳をぶつけて「やったぜ☆」と言っておく。
グータッチである。
私は野球に全く関心がない。グータッチが野球から始まったのかどうかも知らない。Yahoo!で『グータッチ』の画像検索をすると野球帽を被った人ばかりが出てきた。
しかし、両手を握って眼の前に出されたとき、私は瞬時に何をすればいいかわかった。東京の友人と会った時にも両手ではないが片手を握って出してきたので私も拳の勢いを殺してぶつけた後に別れた気がする。
それは体育会系のノリなのだろうか。ウェイ系のあれなのだろうか。過去にアニメで見たことある動作だったのだろうか。まあ私はド根性熱血スポーツタイプを自称しているのできっと体育会系のあれなのだろうな。
ラーメンを満喫した後、座席で行う会計の時に100円玉9枚をおにいさんの手に渡すと、それを数えもせずに受け取った手を握りしめて帰らせてくれた。ワイルドすぎるぜ、おにいさん。
信用とまでは言えないけれど、それに近いものを感じる。お店から歩いて帰る時にそのことを考えていた。日常生活の中で、私は何度もそれを受け取ったことがあるはずだ。種類や内容が違っても、そんな振る舞いができるようでありたいと思った。
もちろんラーメンはおいしかったけれど、それ以上に心地よい経験だった。ありがとうございます。新しいお店、食べに行きますのでね。
ゼロから関係ができる人には一気に仲良くなれる気がするけれど、少しでも知っている相手とはそれがなかなか難しい。そういう面で、んん、と思うことはある。
私のブログでよく出てくる先輩やエジプト友人も、そういう偶然の出会いだった。
こうやって勝手に愛着のある住みやすい土地になっていく。もう一度会いたい人も増えていく。ありがたい。