私は「歓び」って漢字が好きでよく使っていたのだが、「歓び」って漢字を使わないでくれ、と指摘された19歳くらいのことを思い出した。
そのとき「悦び」なら違う意味に思われてもしかたがないのかもしれないとは思っていた。いやだけどべつにわざわざ「喜び」である必要はないだろうとも思っていた。今もじつはそう思っているところがあり、まあべつに「歓び」である必要もそんなにないんですけどね。
その頃の私はYUKIの「歓びの種」って曲が好きだった。もちろん今もYUKIの声が好きでいて、だけどジュディマリは世代じゃないから「かさぶた」くらいしか知らなかった。そんなことを書いていたら、私がゲストハウスにいた時期に3つくらい上の先輩がジュディマリについて語っていたことを思い出した。
「かさぶた」っていったら雷句誠の「金色のガッシュベル」だ。アニメのオープニング曲になっていたんじゃないかな。ガッシュは漫画もアニメも大好きで、そこにはフォルゴレという登場人物が歌った「ちちをもげ」っていう劇中歌がある。さいきんの私は柔軟剤の臭いに鼻がもげる、などと考えていた。じっさいには鼻がもげるというより気分が悪くなるのだが、「鼻がもげる」と「ちちをもげ」の「もげ」って同じなのかな、と考えていたりもした。
12月、先方が忘年会でピザを用意してくれると聞いていた。会場に着いてみたらピザがパエリアに変わっていた。その事態が私は内心めちゃくちゃ嬉しかった。感情を隠そうとしたのだけど、秒で顔に出た。後でいちおう口にも出した。
私は忘年会の2日ほど前に厳しい夜を乗り越えるため「特大ラーメン」を食べた後、ピザをテイクアウトして帰った。ピザの重さを感じながら漕ぐ自転車はとても気分が良かった。家に着いて作業をしながらピザを食べていたのだけど、そのピザはぜんぜんピンとこなくて、もう食べたくないとまで思っていた。さらに、どうしてこんなものに1000円もかけてしまったのだろう、まで浮かんだ。口には出してないけど顔には出た。表情が隠しきれなかった。まあラーメンを食べた後でお腹いっぱいだからなんだろうけど。
そんなことがあった後に続けて忘年会はピザだと聞いていたものですから覚悟はしていたのだけど、私にピザが続いている事情なんて知らないはずなのにピザがパエリアに変わっていたので嬉しかったのだった。
この準備をめぐって密かに起きていたのは、先方から「ピザを準備しておく」という連絡を受けた後に、「じゃあ私はたこ焼きを買っていく」と返事をした戦犯私の"粉物被せ"という「相手の意図ぶち壊し大悪手」によって、先方が気を利かせたパエリア変更なのであった。
パエリアまじでめちゃくちゃうまかったです。ありがとうございました。
歓びのパエリア
美味しいはずのピザ
特大ラーメン