怖いとか、危ないとか、そういうのを感じる前にやられた。さすがハンターは仕事が早い。それはほんとうに一瞬の出来事で、死角から襲ってくるのだ。
くそびっくりした。わけがわからなかった。食べているベーグルが衝撃とともに手から飛んでいき、私の感情はひどく揺れた。そのときも、そしてそれからしばらくかなり気分が悪かった。
【襲撃】→→はぁ!?(驚き)→→まじかよ(怒り)→→私の手から血は出てないな(怒り)→→怪我が無くてよかった(怒り)→→帰るときにもうひとつベーグル買お(怒り)→→まずは地面のベーグルを拾ってからだな(怒り)
地面に転がったベーグルをハンターがもう一度狙っているようだ。
襲撃前
襲撃後
一撃で仕留めろよ。標的を弱らせて捕らえるタイプなのかね君は。たしかにベーグルは私の手から離れて地面で原形をとどめていないけれど、私はまだ弱ってないからな。奴は私の8メートル上くらいを飛んでいる。ちょっと怖いけど腹立つ。ハンターは小鳥じゃなくて、カラスでもなくて、けっこう筋肉質な「鳥」だった。茶色の強そうな奴。
まじいい加減にしろよ。私はまだ半分しか食べてなかったんだぞ。初めて来たお店で、テイクアウトのベーグル(540円)をハンターに食べられなくされた挙句、それが奴の食事になるのはどうも納得がいかない。まあ弱肉強食の世界だもんね。今回は完全に私の負けだよ。でもな?地面に落ちてもテメェにはやらんからな。地面に散らばったベーグル・チーズ・トマト・ベーコン・目玉焼きを拾って公園を離れました。立つ鳥跡を濁さず、とはよく言ったものです。私が立つ「鳥」になっちゃいました、ってね。くそが。
そんなことがあり、フルーツタイプのベーグルをテイクアウトしながら帰っていると、何年か前に友人がカラスにパンをやられたというSNSの投稿を思い出した。そんなことあるんだな。