タイトルはかっこいい風であるけれど、弁論大会の番組が見たくて私が各方面へ相談に回ったはなしだ。
それは指導教員から届いたメールから始まった。
「明日NHKで視覚障害者の弁論大会があるから見ときなさいよ。ネットとかなんでも方法はあるでしょ。」
下宿先にテレビはない。
それは先生も知っているはずだ。
この時点で思い付いたのは、
放送時間になったらインターネットカフェに行く。
もしくはビジネスホテルに泊まって見る。
その番組はとても素敵な時間に放送があったので、都合が悪かった。
どうにかして、大学から動かずしてもしくは最小の時間を使ってテレビへありつけないだろうか私。
まず、自分のパソコンで視聴をするために調べると無理なことがわかった。
次に大学のパソコンで調べて、無理だとわかった。
NHKオンラインに登録しても、地上波で流れているものを同じ時間にみることはできなかったはずだ。
そして図書館へ行った。
司書さんに聞くと、
ワンセグはどうですか?
ワンセグ機能ないです。
アプリもあるんですけど、NHKは国営だから映らないんですよね。
ほぇ。
大学に聞いた。
看護棟にTV見れるとこってありますか?研究に必要なのです。
モニタだけであって、TVは受信してないのよね。
ほほぅ。
学部を卒業した大学には共有スペースに大きいTVが1台あった。そこではサッカーの試合とか野球の試合を見ている輩共がいて、汚くて黒い声をあげていたので爆発してどうぞ、と思っていた。
大学テレビ作戦はダメか。次だ。
図書館を出ると、知人を見かけたので相談した。
放送時間になったら、電気屋のTVで見るのはどうですか?
大人としてなんかあれな気がするけどそれはお金のかからない方法だな。すごいよ。
次にマラソン知人を見かけたので相談した。
私、録画してDVDにしましょうか?DVD見れる機械あります?
DVDはパソコンで見れます。でもあなたにひどい迷惑かけるのでそれは無理です。気持ちが嬉しいのでこの蒸しパンあげます。
えっでもこれお昼じゃないんですか?
お昼はさっき食べてきました。これはおやつです。
じゃあ2つあるみたいなので半分ずつしましょうよ。
えっどうして私が蒸しパン食べたいのわかったんですか?でも私、蒸しパンは冷やしてないと食べられないので友達にあげてください。
(蒸しパン冷やして食べるとすごく美味しいんですよね。凍りかけくらいがベストです。)
次だ、方法なんていくらでもある。
YouTubeで検索した。
過去のものとかはアップロードされているのな。
いいな、これ。
結果、私はその日の視聴を諦めた。
済ましておきたいことがあって(そんな悠長なものではなく、しないといけないのだ)いつも通りのことをして家に帰り、風呂に入って牛乳を飲んで歯を磨き電気を消して寝た。
諦めた理由のひとつは、その番組の再放送が予定されていたからだ。
再放送ならなんとかできるかもしれん。
先日、パラコレ(障害のある人のファッションショー)を見に行った。
参加者は肢体不自由のある人、知的障害のある人、だったと思う。
ショーの途中で“しあわせだ”と書かれたプラカードを持って行進していた場面が強く印象に残っている。
それは誰の意思で書いたものだったのだろうか。
それを見た人は何を思ったのだろうか。
納得、だったのだろうか?
違和感を持つ自分に偏見があるからかもしれない。
障害があるから、不幸な人だとみなすこと。
親が幼少期に離婚して片親で育ってきた子になにかのイメージをもつことのような。
参加者の一人がルパンの格好で踊るDA PUMPのU.S.A.がめちゃくちゃ格好よかった。
あぁ、行ってよかった。
この記事を地方新聞で見つけて、行くことを決めた。
全国紙にはない良さがこういうところでもある。