スイカが好きなフリをする

博士後期課程D3/看護学/障害学/社会学/研究や旅行、日常で思ったことなどを楽しそうに書いています

救い

 この日はバレンタインデーだった。チョコはもらってないけど、おせっかいをしてみて、自分が救われたようだった。

 

 飲食店でカウンターに座り、中華丼を注文した。着丼を待っていると、テイクアウトしようとする客が店員に怒鳴ってる。やかましいわい。不快すぎてよく聞いてないけど、注文したのが遅れているらしい。そりゃ遅れることも、あるだろ。

 あれか?貴様は飲食店で自分の注文が遅れたら死ぬんか?乗りたい電車が遅延してたら駅員にブチギレるんか?怒鳴るのも長いんよ。たくさん怒鳴ったら、いいことがあるとでも思ってるんだろうか。

 

 とりあえずその大声おじさんは商品を受け取って店を出た。そのあと、怒鳴られた子に対して、ホールの長みたいな人は、「あれはちゃんと説明しなきゃ、そしたら納得してくれるんだから」みたいなこと言ってる。その対応は他の客がいる手前なのか、は知らんけど、いやそうはならんやろと思いながら中華丼を食べた。

 たぶんああいうやつほど、怒鳴る相手を選んでるだろうし、正しい説明でもしようものならここぞとばかりに逆上するだろうよ。あいつらは無敵だからな。ちゃんと説明して事態が好転するルートもなくはないだろうけど、リスクがデカすぎるんよ。

 

 あるていど中華丼を食べ終えた後、やっぱりきもちがわるかった。怒鳴られてた子に対して、「おせっかいかもしれないですけど、あんなことで大きい声を出すお客さんですから(笑)、なにを言ってもどうにもならなかったと思います(笑)」と言うと、マスク越しでもわかるくらいものすごい笑顔で「ありがとうございます」と返してくれた。ものすごい笑顔だった。

 自分が発した言葉は、自分にもかけていたような気がして、その笑顔でなんかもうほんと救われたようだった。